奇跡のエニド初来日公演レポート!!
もはや生半可な期待というよりは、「奇跡」に近かった、エニドの初来日公演。4月21日(木)、22日(金)の両日、渋谷TSUTAYA O-EASTへ観にいってまいりました。
会場に着いてすぐ、グッズ売り場へGO!!初日のTシャツと布製ポスター、パンフを即GET!!やっぱ「この機会にしか買えないエニド・グッズ」わ、何が何でも欲しーノダ。(笑)
TSUTAYA O-EASTってハコは初めてだったんだけれど、キャパでクラブチッタの半分ちょいくらいだろーか??「お客さん、入るかなぁ~??」なんて思いきや、最後列1列ぐらいに空席が見えるぐらいで、軒並み大入りでした。
ともべ、今回は奮発して2日間とも限定のVIP席(2階のバルコニー席)だったんだけれども、ステージ全体が見渡せて、視界をさえぎるものもなく、非常に快適だった。「VIP席はスペシャル・グッズのプレゼントあり」とのことだったんだけれども、受付で渡されたのは、
「エニド・ワイン」どした。(1本が初日、もう1本が2日目)。コレわコレでいーんですが...できれば「未発表ライヴ音源のCD」とか...直筆のサイン色紙とか...期待してたんですが...(笑)
ちなみに今回、初日は1stアルバム「In The Region Of The Summer Stars」からの曲を中心にした、2日目が2nd「Aerie Faerie Nonsense」からの曲を中心にしたセットリスト。いやがおうにも、期待が盛り上がります!!
コンサートの客層は、今やロック・コンサートともなれば「オヤジ中心」(笑)なのはどこでもだけれど、さらに今回は年齢層が高かった。見るからに「コアそうな」(笑)ファンとお見受けするヒトばかり。クラシック・ファンみたいなカンジのヒトも多かった。ともべ、プログレ・マニアの間でも「エニドが大好きですっ!!」って言うとたいていヘンなカオされるんだけれども(笑)、エニドのファン、けっこういるじゃーん。
7時ちょい過ぎに、コンサートがスタート!!メンバーがステージに登場して、期待の1曲目は1stから「The Last Judgement」でした。バックグラウンドのPCオケと、バンドの生演奏が一体化した瞬間の、ものすごい音圧感!!正に「日本で初めて聴く生のエニド」でした。
演奏が終わった瞬間、ものすごい拍手。それも2日間のコンサート全体を通して言えるコトなんだけれども、1曲1曲演奏した後の拍手がいつもまでも鳴り止まない。これは音楽の素晴らしさと同時に、1976年のデビュー以来、「ほとんど英国の外に出たことがない」伝説のバンドが、はるばる海を越えて日本に来てくれた、そのことに対する観客の感謝と祝福の念が大きかったように思う。
コンサートの前半は、近作「INVICTA」より、「One & The Many」、「Who Created Me?」、「Witch Hunt」の3曲。近年加入したジョー・ペインのボーカルが素晴らしかった。個人的には「男声版、アニー・ハズラム」と呼びたい(笑)。ステージ上のパフォーマンスも堂に入ったもので、視覚的にも完全に「ステージの中心」の役割を担っていました。
で、5曲目は、「1st中心のセットリストなら、やっぱコレが一番聴きたかった!!」の、御大R.J.ゴドフリーのピアノ曲「The Lovers」です。今回、完全なピアノ・ソロでわなくて、2ndキーボーディストによる手弾きのストリングスとPCのバックグラウンド・オケも入った、「完全版」です。涙が出るような美しい出来でした。R.J.ゴドフリー氏、アルツハイマーの初期症状を発症されているとのことで、今回のジャパン・ツアーを最後にステージから引退されるとのこと。でも、ピアノの演奏を見ている限り、超テクニカルな演奏を見事に弾きこなしていました。「なーんだ、まだゼンゼン弾けるじゃーん。良かった。」
6曲目は、同じく1stより「The Falling Tower」。今回のコンサートでは、英国ツアーでもあまり演奏される機会が多くない曲は、ちょっとアンサンブルに危なっかしいさが目立った。この曲も、PCオケとバンド・アンサンブルのコンビネーションで、やや統一感の不足を感じました。
7曲目は趣向を変えて、5thアルバムから「Something Wicked This Way Comes」。センチメンタルな哀愁感ただようこの名曲を、ジョー・ペインのボーカルでさらにグレード・アップして再現してくれました。
...で、ここでギターにテクニカル・トラブルが発生!!トラブル復旧までの間、R.J.ゴドフリーが即興でピアノ・ソロを演奏してくれるとゆー、ファンには嬉しいハプニングがありました。ゴドフリー氏、ラフマニノフ風のピアノ曲を美しく演奏してくれて、最初は「演出かな??」なーんて思ったんだけれども、この後もう1回トラブルがあったので、やっぱ本当にギターの調子が悪かったのでせう。
コンサート後半は、「INVICTA」から「Leviticus」と、最新作「DUST」から「Trophy」、「1000 Stars」、「Heavy Hearts」の3曲。いずれも従来型のオーケストラたっぷりのエニドとゆーよりは、バンドとボーカル中心の「現在進行形のエニド」といった趣きでした。そして、コンサート本編のラストは、1stのタイトル曲「In The Region Of The Summer Stars」でした。この至極美しい演奏を聴きかながら、この英国から来た夢織人達は、もはやともべの「原点」なのだなぁ~、とつくづく感じました。正に、心にしみる「名演」。ジョー・ペインがウィンド・シンセのフレーズをトチる箇所もあったりして...でもそれが逆に「本当に吹いてるんだぁ~」みたいな証明になってたりして。(笑)
アンコールは2回演ってくれました。1曲目がバークレイ・ジェームス・ハーヴェストの名曲「Mocking Bird」。故ウォーリー・ウルステンホルムへのレクイエムのように響きます。2回目が新作「DUST」から「Someone Shall Rise」。終演後には、ゴドフリー氏が客席最前列のお客さん皆と握手していました。このときばかりは「VIP席より最前列が良かったよぉ~...」(笑)
1st中心の初日のセットリストの中では、演奏しなかった曲が何曲かあったんだけれども、その中でも「The Sun」は、ぜひ演って欲しかったと思ったぞ。
日付は変わって、4月22日(金)の第2夜。この日は、2ndアルバムからの曲が中心です。先に結論から書いちゃうと、初日よりはこの2日目のほうが断然出来が良かった。と、ゆーもの初日はかなりメンバーに硬さが見られて、ギターのジェイソン・ダッカーのミストーンも多かったのだけれど、2日目は演奏全体がかなり安定していました。しかも、初日はセットリスト的に「INVICTA」、「DUST」からのバンド・アンサンブル主体の小曲が多かったのに対して、2日目はオーケストラたっぷりの大曲ばかりで占められていたからで、より「従来型のエニドらしい」壮大なコンサートでした。
お客さんの入りも、初日は空席が少し見えていたのが、この2日目はほぼ満席でした。やっぱ、1stより2ndのほーが、人気があるのかしらん??あと、この2日目はR.J.ゴドフリー氏のライヴ・ステージからの引退ラスト・コンサートとなるのも、感慨深いものがあります。
1曲目は意外にも、新作「DUST」から「Born In The Fire」でスタート。さらに続いて「Someone Shall Rise」。「2ndの曲はいつ??」とか思ってたら、ここからきました!!3曲続けて「Mayday Galliard」、「Ondine」、そして「Childe Roland」。「Mayday~」は今回最も聴きたかった曲の1つだったんだけれども、やっぱ先日の「The Falling Tower」と同じ、英国ツアーで演りなれていない曲は、ややアンサンブルに不安定さが目立ちました。「Ondine」はピアノとウィンド・シンセを中心にした、従来とはまた趣向の異なった再現。「Childe~」は昔からライヴでは定番なので、安定した演奏でした。
ここでまた。ステージ中盤で趣きを変えて中期の曲。名盤「The Spell」から「Summer」を演奏してくれました。ジョー・ペインがMCで「次の曲は、アルバム「Spell」から...」と言った瞬間の観客の反応が素晴らしかった。やっぱみんな、あのアルバム好きなのねぇ~ん(笑)。このウォルト・ディズニーのテーマ曲のような曲想の名曲を、夢見るような形で再現してくれました。ともべ、もーウットリ...(笑)
この後がまた意外な選曲で、アルバム「JOURNEY’S END」からクライマックスの「Malacandra」と「Shiva」のメドレーでした。ものすごく長大で壮大な2曲。ボーカルも入るけれど、壮大なオーケストレーションもたっぷりで、特にデイヴ・ストーレイの生ドラムとニック・ウィレスの生ティンパニ、そしてPCのオーケストレーションが一体となった瞬間の音圧感は、すさまじいものがありました。「これぞ、正にエニド」それと、ドラムスのデイヴ・ストーレイは近年のスタジオ作では割とシンプルにドラムを叩いているので、トシを取って腕が落ちたかと思いきやさにあらず、ただでさえ複雑な楽曲を、超テクニカルなプレイで盛り上げていました。往年のエニドのリズムそのまんま!!
さらに、「PCのバックグラウンド・オケを使用しているんじゃー、完全な生のライヴじゃーないじゃーん」とかゆーヤカラがいるカモ知れないんだけれど、それわ違うって思いました。こんだけ複雑な楽曲を、PCのオケに寸分違わず演奏するということは、もはや「名人芸」です。完全な生演奏と違って、途中でズレたりしたら収拾が付かないんだぜぇーっ!!
コンサート本編の最後は、ジョー・ペインのMCで、「これから、今夜のメイン・イベントです...」に導入されて、待ってました!!大作組曲「Fand」の完全再現!!もー、言葉が出ない...素晴らしい!!「あの、ギターのアルペジオ」が始まった瞬間の、感慨深さ...。第一楽章は、近年の改訂版をベースにしたロング・バージョンで、第2楽章はオリジナルに近いショート・バージョンで、完璧に再現してくれました。圧倒的な音圧感!!よもや、この曲が日本で、しかも正真正銘のエニドの生演奏で聴ける日が来るとは...ウルウル...。第2楽章のクライマックスでは、ホント今までの自分の長い人生が、走馬灯のように駆け巡ってしまいましたよ。合掌...。
アンコールは本日も2回。「Something Wicked This Way Comes」と「1000 Stars」でした。エニド側も日本のファンのためにセットリストを良く考えてくれたのか、「ファンは、1日目も2日目もどっちも来る」と見抜いていたのか、2日間で重複する曲は3曲のみでした。しっかし、こんだけロックの「規定の文法」からは完全に外れるロックを演奏するバンドなのに、こんなに日本のファンがいるなんて...ケッコウ驚き。アンサンブル的には、ロックバンドに常時「生のティンパニが入る」とゆー時点で、そもそも異質だし、またその生ティンパニが、ライヴ演奏上の重要なポイントとなっていました。正真正銘の「ロック・オーケストラ」。
ただ、今回のコンサートでたった1つ残念だったのは、ファンだったらみんな同じ思いだったろーケド、やっぱエニドのコンサートのフィナーレは、「Dambusters March/Land Of Hope And Glory」で盛り上げて欲しかったぞ。(笑)期待していたのにぃ~...。
エニドのメンバー御一行は、翌日4月23日(土)に日本観光を楽しまれた後、英国への帰国の途に付かれたとのこと。ともべは1982年の夏に札幌のレコード屋で初めてエニドの3rd「TOUCH ME」のLPレコードに遭遇して、その裏ジャケットの写真にあるR.J.ゴドフリー氏が、それから35年近くを経た今、よもや日本の地を踏むことになろうとは...ご本人も想像だにしていなかったコトでしょう。歴史とゆーのは、ホント何が起こるか判らない...。リーダーのR.J.ゴドフリー氏の記憶の中に、「日本は本当に素晴らしかった」という思い出が残ることを、切に祈ります。
ともべの人生を完全に変えてしまったたった1つのバンド、ジ・エニド。日本に来てくれて、本当にありがとーっ!!!!この2夜は、ともべの人生で、最高の思い出になりました!!
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